はじめに:保険を「なんとなく」で払い続けていませんか
毎月の保険料を、なんとなく払い続けている。多くの人がこの状態にあります。
私は大手金融機関に勤めたのち、39歳でFIRE(経済的自立・早期リタイア)を達成しました。家族もいますが、医療保険・生命保険・貯蓄型保険のいずれにも入っていません。
理由はシンプルで、日本の公的保障が想像以上に手厚く、多くの民間保険は「不安」につけ込んだ割高な商品だからです。金融機関にいたからこそ、その仕組みを内側から見てきました。
この記事では、保険を「医療」「生命」「貯蓄型」の3つに分け、それぞれ何が必要で何が不要なのかを整理します。各テーマの詳細は個別記事にまとめているので、気になるところから読み進めてください。
まず大原則:保険は「確率×金額」で考える
保険を考えるときの軸はひとつだけです。「めったに起きないが、起きたら自力ではどうにもならないほど高額」なものにだけ入る、という考え方です。
逆に言えば、公的保障や貯金でまかなえるものに保険は要りません。保険会社は営利企業ですから、支払う保険料の総額は、受け取る保険金の期待値を必ず上回るように設計されています。「何も起きなければ損をする」のが保険の構造です。
この原則を持っておくと、ほとんどの保険が「自分には不要」だと判断できるようになります。
① 医療保険:会社員なら、基本いらない
結論から言うと、会社員に医療保険は基本的に不要です。
理由は、日本に「高額療養費制度」があるからです。どれだけ医療費がかかっても、自己負担は月8〜9万円程度が上限になります。会社員ならさらに「付加給付」で自己負担が月2万円程度に抑えられる健保もあります。
入院で100万円かかっても、実際の負担は数万円。これなら貯金で十分対応できます。月3,000円の医療保険を払い続けるより、その分を投資に回したほうが合理的だと私は考えました。
詳しくはこちら → 医療保険はいらない?会社員が入らなくても安心できる理由
② 生命保険:公的保障(遺族年金)を知れば、見方が変わる
生命保険も、入る前に必ず「遺族年金」を確認すべきです。
会社員が亡くなった場合、遺された家族には遺族基礎年金と遺族厚生年金が支給されます。子どもがいる世帯なら、月14万円前後が支給されるケースもあります。共働きであれば、配偶者の収入と合わせて生活が回る可能性は十分あります。
そのうえで、子どもが小さい時期など「万一があると家族が困る期間」だけ、掛け捨ての定期保険で備える。これが最も合理的です。終身保険や貯蓄型は必要ありません。
詳しくはこちら → 生命保険は本当に必要?──入る前にまず見直すべき「公的保障」と自分の家計
③ 貯蓄型保険:「保障」と「貯蓄」は分けるべき
最も注意してほしいのが、貯蓄型保険(終身保険・個人年金・学資保険など)です。
「保障も貯蓄もできてお得」に見えますが、実際は手数料が見えにくい形で差し引かれ、運用効率は決して高くありません。途中解約すると元本割れする流動性の低さもあります。
保障は掛け捨てで、貯蓄・運用はNISAで。この2つを分けるだけで、同じお金がずっと効率的に働きます。「保障と貯蓄をひとつの商品で済ませたい」という心理こそ、保険会社が狙うポイントです。
詳しくはこちら → 貯蓄型保険の罠にハマる前に知っておくべきこと
私が保険の代わりにやっている3つのこと
保険に入らない代わりに、私は次の3つで備えています。
ひとつ目は、生活防衛資金の確保です。生活費の2年分ほどを現金で持っておけば、医療費や一時的な収入減があっても慌てずに済みます。保険より確実で、しかも使わなければ手元に残ります。
ふたつ目は、固定費を下げることです。不要な保険やサブスクを削り、家計の支出を軽くしておく。支出が小さいほど、万一のときに必要な備えも小さくて済みます。
みっつ目は、NISAでの資産形成です。保険料に消えていたはずのお金を投資に回すことで、長期的に資産が育ちます。これがFIREを早める最大の原動力でした。
まとめ:保険は「安心料」ではなく「費用対効果」で選ぶ
保険は、不安を消すための「安心料」として入るものではありません。
確率と金額を冷静に見て、公的保障と貯金でまかなえない部分だけを、最小限・掛け捨てで補う。これが基本です。
- 医療保険:高額療養費制度があるため、会社員は基本不要
- 生命保険:遺族年金を確認し、必要なら掛け捨て定期で一定期間だけ
- 貯蓄型保険:保障と貯蓄を分け、運用はNISAで
まずは自分が今払っている保険料を書き出し、「これは公的保障や貯金でまかなえないか?」と問い直すところから始めてみてください。そのお金の多くは、未来の自分のための投資に回せるはずです

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