はじめに
上場企業やその子会社にお勤めの方で「従業員持株会に入って自社株を買うべきか?」と迷ったことはありませんか?
会社から10%前後の奨励金が出るケースも多く、一見すると「すごくお得そう!」と感じる仕組みです。
しかし私は、従業員持株会での自社株購入はおすすめしていません。今回はその理由を、制度の仕組みとメリット・デメリットを整理しながら解説します。
自社株購入とは?代表的な仕組みを整理
従業員が自分の会社の株を取得する方法はいくつかあります。代表的なのは次の3つです。
1. 従業員持株会
- 給与から毎月一定額を天引きし、自社株を購入する仕組み。
- 会社が「拠出額の5〜10%を上乗せする奨励金」を出すケースが多い。
- 日本の上場企業で広く導入されています。
2. ストックオプション
- あらかじめ決められた価格で自社株を購入できる権利。
- 株価が上がれば利益を得られる仕組みで、ベンチャー企業などで導入が一般的。
3. 株式報酬制度(RSUや株式交付信託など)
- 給与や賞与の一部を株式で受け取る制度。
- 外資系や一部大企業で普及が進んでいます。
今回の記事では 「従業員持株会を通じて自分のお金で自社株を購入するケース」 に絞って解説します。
従業員持株会のメリット
1. 奨励金で有利に投資できる
例:毎月1万円拠出+10%奨励金 ⇒ 実質1万1,000円分の株を購入可能。
この奨励金があるだけで、預金や通常の投資信託より有利になることが多いです。
2. 配当金も受け取れる
- 上場企業であれば株価上昇益+配当を享受できる。
- 配当が自動的に再投資される仕組みなら、複利効果も期待できます。
従業員持株会のデメリット
1. 資産が自社株に偏るリスク
- これが最大のデメリットです。
- 給与も資産も同じ会社に依存する状態になる。
- 業績悪化で給与も株価も同時に下落する「ダブルパンチ」の可能性。
👉自社株に偏ると「給与も資産も同じ会社に依存する」状態になり、非常にリスクが高いです。集中投資を避ける理由については、株価予測が難しい理由と分散投資の大切さで詳しく解説しています。
2. 流動性が低い
- 売却は持株会のルールに従う必要があり、月1回しか売れない場合も。
- 緊急時にすぐ現金化できない不便さがある。急にお金が必要になった時、すぐに売れないのは大きなリスクです。
👉流動性の重要性はNISAとiDeCo、どちらを優先すべき?でも触れています。
3. 株価下落リスク
- 奨励金で多少の下支えはあるが、大幅に下がれば損失になる。
私の考え:持株会は利用していません
結論として、私は従業員持株会を利用していません。その理由は次のとおりです。
- 集中投資になる
給与と資産が同じ会社に依存するのはリスクが高い。特にボーナス減と株価下落は同時に起こりがちです。 - 経済的自立の趣旨に合わない
私は「一つの会社に依存しない」ことを大事にしており、会社に人生を握られるのを避けたいと考えています。 - 流動性が低い
すぐに売れない、会社に申請が必要など心理的ハードルが高い。金融資産にとって「流動性(すぐに現金化できるか)」は非常に重要なポイントです。自社株の場合、この流動性が失われる点が大きな懸念材料となります。
ではどうすべきか?代替案
1. NISAでの積立投資
- 自動積立で給与天引きのように運用できる。
- 分散投資でリスクを抑えながら長期的に資産形成が可能。
👉代替策としては、NISAを活用して投資信託に分散投資するのが王道です。購入の手順や商品選びの考え方については、NISAで買うならこの投資信託をご覧ください。
2. 高配当インデックスやREIT
- 配当目的の方は、分散された高配当株ファンドやREIT(不動産投資信託)も選択肢。
3. どうしても奨励金が欲しい場合
- 全資産ではなく「投資資金の5%程度」に限定して持株会を利用するのも一案。
まとめ
従業員持株会は「奨励金が魅力的」な一方で、資産の偏りや流動性の低さといったリスクがあります。
私の結論は、
- 原則として利用しない
- どうしても利用するなら資産の一部に限定する
- 基本はNISAなどで分散投資する
というスタンスです。
自社株購入を検討されている方は、メリットだけでなくリスクも理解したうえで判断してください。
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※本記事には広告リンクを含みます。投資にはリスクがありますので、最終判断はご自身の責任でお願いいたします。
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