インフレで物価が上がり、家計が圧迫されている人が増えています。
しかしニュースや経済の専門家は「景気が回復している証拠」と言います。
なぜ、国全体ではプラスのはずのインフレが、私たちの生活を苦しくしているのでしょうか?
この記事では、インフレの「幻想」に焦点を当て、背景と解決策を考えていきます。
インフレとは
「インフレーション(インフレ)」とは、物価が上がり続けてお金の価値が下がり続けることを指します。
逆に「デフレーション(デフレ)」は、物価が下がり続けてお金の価値が上がることです。どちらにもメリット・デメリットがあります。
インフレは、好景気でモノやサービスへの需要が供給を上回ったときに発生します。価格が上がると「今のうちに買っておこう」と消費が加速し、企業の売上や利益も増え、従業員の給料が上がる──そんな形で景気が循環的に上昇していきます。
日本銀行の金融政策
日本銀行は2013年に「物価安定の目標」を掲げ、消費者物価の前年比上昇率を2%にすることを約束しました。それ以来、インフレを実現するための金融政策を続けています。
日本だけでなく、世界の多くの国も「インフレの甘い誘惑」に引き寄せられ、景気刺激策としてインフレを目指しています。
インフレの幻想(出所:ヘンリー・ハズリット著『世界一シンプルな経済学』)
インフレが一見魅力的に見えるのは、「お金」と「富」を混同してしまうからです。
本当の富とは「食料」「衣服」「家」「自動車」「旅行」など、生産され消費されるモノやサービスです。しかし多くの人は「お金さえ増えればもっと買えるのに」と考えてしまいます。だから「政府がお金を刷って国民に配ればみんな豊かになる」という単純なインフレ支持論が生まれるのです。
賢いインフレ支持論者は、お金を増やせばその価値が下がり、モノの値段が上がることを理解しています。それでも「輸出が増える」「不況対策になる」といった理由でインフレを肯定します。
確かにインフレは企業の収益を改善する効果がありますが、その裏では「実質的な生活水準の低下」という現実が隠されています。
インフレは「幻想のベール」であり、多くの人が自分の生活が本当に豊かになったのかを見失います。賃金が上がっても、物価がそれ以上に上がれば購買力はむしろ下がるからです。
さらにインフレは「見えない税金」とも言われます。特に貧しい人ほど大きな負担を強いられます。なぜなら、裕福な人は株や不動産といった資産を持つことでインフレを防御できますが、資産を持たない人はその手段すらないからです。
日本のデータから見る現状
では、現在の日本はどうでしょうか。
① 消費者物価指数(CPI)
2025年7月のCPIは前年同月比 +3.1%。この1年間ずっと上昇傾向にあります。
👉 出所:総務省「2020年基準消費者物価指数」

② 実質賃金指数
実質賃金指数は「名目賃金」から物価変動を差し引いたもので、実際の購買力を示す指標です。
2025年6月は -1.7%。この1年間ずっとマイナスであり、労働者の購買力が落ち続けていることがわかります。
👉 出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」

つまり、給料は上がっていても、それ以上に物価が上がっているため、以前よりモノが買えなくなっている、ということです。これはまさにハズリットが言う「インフレの幻想」が現実になっているのかもしれません。
個人にできる対策
政府や日銀に不満を言っても、状況は変わりません。個人として取れる対策を考えるべきです。
ハズリットが述べたように、貧しい人は資産を持てないためインフレで不利になります。逆に言えば、株式や不動産などの資産を持つことでインフレに備えられるのです。
👉 参考記事:【初心者向け】年齢別ポートフォリオとおすすめ投資信託|投資の大原則に学ぶ
例えば、都内マンションを数年前に購入した人は、インフレで大きな含み益を得ています。株価も日経平均は最高値を更新しました。もちろんすべてがインフレのせいではありませんが、資産を持っている人はインフレの悪影響を和らげられることは確かです。
私自身も、安全資産の一部を「物価連動国債」で保有し、投資信託を通じて「全世界株式」に分散投資しています。
👉 参考記事:銀行預金じゃ不安?インフレに強い『物価連動国債』を安全資産に加えるべき理由
まとめ
インフレは「お金が増えて豊かになる」ように見えて、実際には購買力を奪う仕組みです。
だからこそ、資産を持つこと=最大の防御策になります。
インフレに負けない家計を、一緒に作っていきましょう。
💡 これから投資を始めたい方へ
投資初心者におすすめなのが 楽天証券 です。
NISAにも対応していて、スマホアプリも使いやすく、私自身もメイン口座として利用しています。
👉 [楽天証券の口座開設はこちら]※リンクはアフィリエイトを含みます。
※本記事には広告リンクを含みます。投資にはリスクがありますので、最終判断はご自身の責任でお願いいたします
コメント