はじめに
「インフレで生活が苦しい…」「銀行にお金を預けても増えない…」
最近、友人や知人からそういった悩みをよく聞くようになりました。長引くインフレ時代、ただ銀行にお金を預けているだけでは、私たちの資産はどんどん目減りしていきます。
そこで今回は、インフレから資産を守るための安全資産として私が注目している「物価連動国債」について、その仕組みや他の資産との比較を交えて解説します。
なぜ私が数ある選択肢の中から、この物価連動国債を選んでいるのか。その理由をこの記事でじっくりとお話しします。
物価連動国債とは?
物価連動国債は、その名の通り「物価」に連動して元本や利息が変動する国債です。
元本は、日本の消費者物価指数(CPI)に応じて増減します。CPIとは、物価の変動を示す指標のことです。たとえば、CPIが上がれば元本も増え、下がれば元本も減ります。
- インフレ(物価上昇) → 元本が増加 → 利息も増加
- デフレ(物価下落) → 元本が減少 → 利息も減少
つまり、長期的にインフレが続いた場合には、銀行預金や通常の国債よりも購買力を維持できる「安全資産」になるのです。
詳細は財務省のHP物価連動国債の商品設計もご確認ください。
銀行預金・国債・社債・外国債との比較
では、物価連動国債は他の安全資産と比べてどう位置づけられるのでしょうか?
代表的な資産との比較を表にまとめました。
資産種類 | メリット | デメリット | インフレ耐性 | デフレ耐性 |
---|---|---|---|---|
銀行預金 | 元本保証 / 流動性が高い | 金利ほぼゼロ / インフレで価値が目減り | 弱い | 価値が向上する |
通常の国債 | 信用度が高い / デフレに強い | インフレで実質価値が下がる | 弱い | 価値が向上する |
物価連動国債 | インフレに強い / 購買力を守れる | デフレで元本下落 / 短期的に価格変動 | 強い | 弱い |
外国債(先進国) | 金利がやや高い / 分散投資になる | 為替リスクが大きい | 普通(為替次第) | 普通 |
社債 | 国債より高い利回り | 信用リスクが高い / 魅力は限定的 | 普通 | 普通 |
「インフレ耐性」とは「価値が目減りしないか(インフレ耐性)」、「デフレ耐性」とは「お金の価値が上がるか(デフレ耐性)」です。
私が外国債や社債を選ばない理由
- 外国債券(先進国債券)は、為替リスクが大きく、利回りでカバーできるほどの魅力がないと判断しています。
日本円ばかり持つリスクは、私は「全世界株式インデックス」でカバーしています。 - 社債はリスクの割に利回りが低く、投資妙味が乏しいと考えています。
日本の環境変化とインフレの実感
日本は長らくデフレの時代が続き、預金や国債だけで資産を守ることができました。
しかし近年は、
- 日銀の異次元緩和策
- 円安による輸入価格の上昇
- 食料やエネルギーの値上げ
こうした背景から、誰もが「インフレ」を実感するようになっています。
私も友人・知人から、
「生活費が上がって苦しい。でも株式投資は怖いし、銀行預金は金利0.1%で全然増えない。どうすればいい?」
と相談を受けることが増えました。
そういう人たちに私は下記の「物価連動国債ファンド」をおすすめしています。
- eMAXIS 国内物価連動国債インデックス
- 東京海上セレクション・物価連動国債
私の考える活用法
私は安全資産を以下のように使い分けています。
- 短期資金(数年以内に使うお金) → 現金(銀行預金)
- 長期資金(老後など将来の生活資金) → 物価連動国債ファンド
つまり、インフレに負けない形で長期的に購買力を守るには「物価連動国債ファンド」が最適と考えています。
デメリットと注意点
もちろん万能ではありません。
1. デフレ時には元本が下落する 物価が下落するデフレ時には、元本も連動して減るリスクがあります。元本保証はないため、デフレが長期化すれば、結果的に資産が目減りする可能性もゼロではありません。
2. 短期的な価格変動がある 物価連動国債は毎日市場で取引されており、利回りや市場の需給によって価格が上下します。そのため、満期まで持たずに売却する場合、購入時よりも価格が下がっているリスクもあります。
補足:平成25年度以降に発行される物価連動国債には、償還時の連動係数が1を下回る場合、額面金額にて償還される元本保証(フロア)が設定されています。満期まで保有せず途中で売却する場合は、元本は保証されません。
また、国内物価国債に連動する投資信託を購入する場合は、投資元本が保証されるものではありません。
物価連動国債がおすすめの人
- 安全資産で運用したいが、銀行預金では物足りない人
- 今後もインフレが続くと思っている人
- 将来は読めないが、デフレで資産価値が下がっても購買力が変わらないならOKと思える人
- 「株式+債券」のシンプルポートフォリオを組む中で、どの債券に投資したらよいか迷っている人
まとめ
物価連動国債は「インフレに強い安全資産」として、日本の今の状況に合った選択肢の一つです。
すべてをこれに投資する必要はありませんが、ポートフォリオの一部に組み込むことで「購買力を守る」効果が期待できます。
👉 前回の記事「年齢別ポートフォリオとおすすめ投資信託|投資の大原則に学ぶ」とあわせて読むことで、より具体的な投資戦略が見えてくると思います。
🔑 本格的に投資を続けるなら
取引コストや商品ラインナップの豊富さからも、楽天証券は多くの投資家が利用しています。
株式投資・投資信託・NISAまで幅広くカバーできる万能口座です。
👉 [楽天証券の口座開設はこちら]※リンクはアフィリエイトを含みます。
※本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
紹介している証券会社やサービスは、筆者が利用経験を踏まえて選定しています。
🧭 関連記事もご覧ください!
- 👉 普通のサラリーマンが30代でFIRE達成した方法
iDeCoやNISAを活用しながら30代で経済的自由を達成した実体験を紹介しています。 - 👉 【2025年版】新NISAで迷わない!「つみたて投資」と「成長投資」の違いと選び方
2025年版の新NISAは「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類。違いとメリットを解説し、初心者から経験者まで活用できる方法を紹介します。 - 👉 NISAで買うならこの投資信託|失敗しない中身の選び方
インデックス投資の基本から、具体的なおすすめファンドまで実例を交えて分かりやすく解説します。
このブログでは、「サラリーマンからでも経済的自由を目指せる」方法を、実体験とともに発信しています。
▼noteでもFIREに関する実体験を連載中です。
👉 noteアカウントはこちら
コメント