はじめに:なぜ貯蓄率50%なのか?
FIRE(経済的自立と早期リタイア)達成において、貯蓄率は年収の高さよりも重要です。手取り収入のうちいくらを投資に回せるか(貯蓄率)が、早期リタイアまでの期間を左右します。
具体的な数字で見てみましょう:
- 運用利回り年率5%
- 貯蓄率50%
- →約17年でFIRE達成可能
私は大卒で働き始めて30代でFIREを達成しました。その間、貯蓄率は常に50%以上をキープしていました。この記事では、20代独身時代にどのように貯蓄率50%を実現したのか、実体験をもとにお話しします。
注意: 生活水準を上げないことも、貯蓄率維持の重要なポイントです。
20代の現実:平均年収から計算してみる
まず、20代後半の現実的な数字を見てみましょう。
25-29歳の平均年収:400万円 (出典:民間給与実態統計調査 令和6年分)
この場合の手取り計算:
- 年収400万円
- 社会保険料・税金を引いた手取り:約300-320万円
- ボーナス50万円を除くと:年間250-270万円
- 月額手取り:20-22万円
この金額で貯蓄率50%を達成するには、月10-11万円で生活する必要があります。
【必須条件①】実家か寮暮らし
なぜ一人暮らしでは厳しいのか
私の住んでいるエリアのワンルームの家賃相場は10万円です。月22万円の手取りから家賃10万円を引くと、残り12万円。ここから食費、光熱費、通信費などを払うと、貯蓄率50%はほぼ不可能です。
私の寮生活の実際
私は会社の寮に住んでいました:
- 寮費
- 朝食・夕食費
- 水道光熱費
合計:月4-5万円
一人暮らしと比べて月5-6万円の節約になります。これだけで年間60-72万円の差です。
実家暮らしの場合
実家から通勤できる方は、家に月数万円入れている人もいると思います。それでも寮や一人暮らしよりは大幅に安くなるはずです。
「一人暮らしは自由で快適」という気持ちはよくわかります。でも、FIREを目指すなら20代の数年間は我慢する価値があります。30代でリタイアできれば、その後の人生はずっと自由なのですから。
【必須条件②】車は持たない
車の維持費の現実
車は所有しているだけで月4-5万円かかります:
- 自動車税
- 保険料
- 駐車場代
- ガソリン代
- 車検代・メンテナンス費
(参考:車の維持費シミュレーション)
私の選択
電車で通勤可能だったため、車は持ちませんでした。休日に車が使いたいときは、レンタカーやカーシェアを利用。月1-2回利用しても、所有するより圧倒的に安く済みます。
車を持たないメリット:
- 月4-5万円の節約 = 年間48-60万円
- 維持管理の手間がない
【重要③】無駄な保険に入らない
独身者に生命保険は不要
感情論は置いておいて、冷静に考えてください。独身の人が亡くなっても、金銭的に困る人はいません。だから生命保険は不要です。
貯蓄型保険の罠
意外と多いのが貯蓄型保険に入っている人です。
よくある勧誘トーク:
- 「強制的に貯蓄できるのでおすすめですよ」
- 「将来のための備えになります」
新入社員研修で保険会社のセールスマンが来て、「みんな入るもの」という雰囲気で加入する人が多いです。私の友人や知人にも多くいました。
貯蓄型保険とは
- 死亡保障などの「もしもの備え」と「将来のための貯蓄」を兼ね備えた保険
- 保険料の一部が積み立てられる
- 解約時や満期時に「解約返戻金」や「満期保険金」を受け取れる
- 学資保険、個人年金保険、終身保険など
一見良さそうですが、大きな問題があります:
- 元本割れ期間が長い:解約返戻金がプラスになるまで15-30年かかることが多い
- 手数料が高い:運用コストが投資信託より高い
- 利回りが低い:インデックス投資の方が有利
- 資金が拘束される:急な出費に対応できない
私の考え方
「貯蓄型保険も貯蓄では?」という人がいますが、私は違うと思います。
自分のお金を預けているのに、10年経たないと元金が戻らないものが、なぜ貯蓄なのですか? 減ってるじゃないですか!
正しい選択は:
- 銀行預金(緊急資金用)
- 掛け捨ての保険(必要な保障のみ)
- インデックス投資(資産形成用)
これらを分けて管理する方が、はるかに効率的です。
【節約④】格安スマホに変更
大手キャリアとの差
大手キャリア(docomo、au、SoftBank)を使っている場合、月7,000-10,000円かかっている人も多いと思います。
私のおすすめ:日本通信SIM
- 20GB:1,390円/月
- 50GB:2,178円/月
大手キャリアと比較すると:
- 月5,000-8,000円の節約
- 年間6-10万円の差
通信品質もdocomoの回線を使っているため問題ありません。
私の20代の家計簿(実例)
実際の私の支出をお見せします:
月収22万円の場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 収入 | 22万円 |
| 寮費(住居・食費・光熱費込) | -5万円 |
| スマホ代 | -0.13万円 |
| 昼食代(社食500円×20日) | -1万円 |
| 小計 | 15.87万円 |
残り15.87万円を、以下に配分:
- 貯蓄・投資:11万円(貯蓄率50%)
- 自由に使えるお金:約5万円
自由に使える5万円の内訳例
- 交際費:2万円
- 美容・衣服:1万円
- 趣味・娯楽:1万円
- 予備費:1万円
決して贅沢はできませんが、友人との付き合いも維持でき、ストレスのない範囲で生活できていました。
【奥の手】ボーナスを全額貯蓄
月5万円の自由支出では厳しいという方へ、もう一つの方法があります。
ボーナスを計算に入れる
年間ボーナス50万円の場合:
- 月割り:約4.2万円
- 月の自由支出:5万円 + 4.2万円 = 9.2万円
これなら、かなり余裕が出てきませんか?
ボーナスの使い方が分かれ道
多くの人はボーナスで大きな買い物をします。しかし、ボーナスに頼った生活をしないことが貯蓄率を高める秘訣です。
ボーナスは:
- 臨時収入と考える
- 全額を貯蓄・投資に回す
- もしくは自己投資(資格取得など)に使う
合わせて読みたい: まとまったお金が手に入ったら?賢い積立投資の始め方
参考:一人暮らしの平均支出(総務省データ)
現実を知るために、34歳以下の単身者の平均消費支出を見てみましょう。
月平均:176,160円
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 食料 | 40,305円 |
| 住居 | 39,618円 |
| 光熱・水道 | 9,005円 |
| 家具・家事用品 | 4,512円 |
| 被服・履物 | 7,693円 |
| 保健医療 | 8,252円 |
| 交通・通信 | 19,335円 |
| 教養娯楽 | 24,112円 |
| 交際費 | 10,069円 |
| その他 | 12,270円 |
(出典:総務省「家計調査 2024年度」)
※住居費は実家暮らしの人も含むため、平均より低めです
平均的な生活をしていると貯蓄率50%は達成できません。 だからこそ、戦略的な選択が必要なのです。
まとめ:20代独身者が貯蓄率50%を達成する5つのポイント
- 実家または寮に住む
- 一人暮らしの誘惑に負けない
- 月5-6万円の差は年間60-72万円
- 車を持たない
- 必要なときはレンタカー・カーシェア
- 月4-5万円、年間48-60万円の節約
- 無駄な保険に入らない
- 独身者に生命保険は不要
- 貯蓄型保険は避ける
- 格安スマホに変更
- 月5,000円以上の節約
- 年間6-10万円の差
- ボーナスを使わない
- 全額貯蓄・投資に回す
- 月の生活はボーナス抜きで成立させる
失敗から学ぶ: FIRE準備期間の失敗談:やらなければよかった投資・節約3選
最後に:20代の我慢は30代の自由
20代で貯蓄率50%を維持するのは、確かに我慢が必要です。友人が一人暮らしで好きなものを買っているのを見ると、羨ましく感じることもあるでしょう。
しかし、20代の数年間の我慢が、30代以降の数十年の自由を生み出します。
私は30代でFIREを達成し、今は自分の好きなことに時間を使えています。会社に縛られることなく、人生の選択肢が大幅に広がりました。
FIRE生活のバランス: FIREと貯蓄の難しい点は「現在と未来のバランス」
この記事が、あなたのFIRE達成の一助になれば幸いです。
次回予告: 「【30代・既婚者向け】貯蓄率50%の作り方」では、パートナーとの生活でどのように貯蓄率を維持したのかをお伝えします。
(この記事は個人の経験に基づくものです。投資は自己責任で行ってください)

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